遺産相続は誰に頼めばいい?概要から各専門家の役割まで詳しく解説

相続コラム

2023.06.09

1.概要

遺産相続は、故人が亡くなった際にその財産や資産を適切に引き継ぐ手続きです。

しかし、遺産相続手続きは複雑なものであり、法的な知識やその他専門家のアドバイスが重要です。

この記事では、遺産相続に関わる様々な専門家の役割について詳しく解説します。

2.専門家の役割

遺産相続には、法務・税務の他、紛争予防や将来のライフプランにも配慮する必要があります。

また、相続と一重に言っても、同じ相続は二つとありません。

相続に関する情報は、インターネット上にありふれていますが、その情報が正しいものかどうかを判断することは難しいものです。

したがって、遺産相続においては、各種専門家のアドバイスを受けながら、進めていくことが重要です。

(1)相続手続きで必要となる手続とは?

相続手続では、主に次の手続が想定されます。

・ 相続財産の調査・確定

相続においては、相続財産がいくらあるのか、またどのような財産があるのかを調査することが重要です。

財産内容が確定することで、相続人の話し合いへもスムーズに進めることができます。

・ 相続人の確定-戸籍の収集

財産内容の確定を行うとともに、相続人を確定させなければなりません。

再婚等により、思いがけない相続人がいる可能性もあり、戸籍の収集をして初めて判明することもあります。

相続人が確定することで、相続人の相続分も確定します。

・ 相続人全員での話し合い

相続人全員で、どの財産をどれだけ、誰が相続するのかを決定します。

・ 遺産分割協議書の作成・捺印

相続人全員で話し合った結果を、法的な文書にします。

・ 各種相続財産の相続手続

預貯金や不動産、株式について、各窓口で相続手続を行います。

・ 各相続人への分配

・ 相続税の申告、納付

・ 保険金の請求

・ ライフプランの再設計

(2)司法書士の役割

司法書士は、不動産のある相続手続において、相続登記を中心に行いますが、その他にも、その他財産の調査、戸籍の収集、遺産分割協議書等必要書類の作成、預貯金や株式等の解約、相続人への分配等、紛争姓がない相続においては、ほとんどすべての手続を行うことができる専門家です。

遺産分割協議においては、遺産分割の協議の代理はすることができませんが、相続人間で決定した内容に従い、書類を作成し、捺印の手配も行います。

(3)弁護士の役割

弁護士は法的なアドバイスや代理人としての役割を担当します。

遺産相続においては、各相続人の主張がぶつかれば、法的な問題や紛争が発生する可能性があります。

弁護士はそのような紛争の解決に向けて、相続人の権利を代弁し、訴訟手続きや交渉を行います。

司法書士とは異なり、遺産分割協議が成立しない場合に、各相続人の代理人として交渉を行ったり、遺産分割調停や審判の手続も代理することができます。

(4)税理士の役割

税理士は、遺産相続における税務面での専門家です。

遺産相続において、遺産の税務面での評価や、相続税の計算などの業務を担当します。

遺産相続では、一定の金額を超える遺産がある場合には、相続税がかかる場合があり、その計算や申告には複雑な計算や手続きを要します。

この手続は、弁護士や司法書士がサポートする法務面と異なり、税務面であり、税務上の特例や実務について、精通していなければなりません。

したがって、税務申告においては、税理士の助言とサポートが重要です。

税理士は相続税の節税策や申告書の作成など、相続人が適切に税金を納めるため、また適切な特例を使用して、税金を圧縮するためのアドバイスを提供します。

(5)保険会社の役割

保険会社も遺産相続において重要な役割を果たします。

故人が保有していた生命保険や死亡保険などの保険契約に基づいて、相続人に支払われる保険金の手続きを行います。

保険会社は、相続人が保険金を適切に受け取るための手続きや必要な書類の提出、保険金の評価などを担当します。

相続人が保険金を受け取る際には、保険会社との円滑なコミュニケーションが重要です。

また、相続手続後に、各相続人のライフプランの再設計についても、相談窓口として適切です。

(6)不動産鑑定士、不動産会社の役割

不動産鑑定士は、不動産の評価を行う専門家です。

不動産鑑定士は、土地や建物の価値や評価基準を専門知識に基づいて評価し、公正な評価額を算出します。

これにより、相続人間の財産分割や相続税の計算において不動産の価値を明確にする役割を果たします。

不動産鑑定士は、相続人間で相続について紛争があった場合に、その不動産の価値がいくらあるのかについて、正確な評価をします。

また、不動産会社において、売買価格がいくらになりそうかなど、不動産の査定を行うことができます。

不動産の査定は無料であることがほとんどであり、実勢価格が分かるため、不動産鑑定士とは違った見方をすることができます。

また、不動産をそのまま遺産分割する場合でなく、現金化して分割する場合にも、不動産会社に依頼して買主を探してもらい、売却を行うこととなります。

(7)行政書士の役割

行政書士は、行政手続きや公的な書類の作成を専門とする専門家です。

遺産相続においては、相続人や遺産に関連する様々な書類の作成や手続きが必要となります。

行政書士は、遺産分割協議書などの作成や、相続した山林や農地について、行政へ届け出る手続も行います。

山林や農地について、相続した際には手続がいることについては、あまり一般では周知されていませんので、把握しておく必要があります。

3.遺産相続に関わる専門家を選ぶ際のポイント

遺産相続に関わる専門家を選ぶ際には、以下のポイントに留意することが大切です。

1.専門知識と経験

遺産相続は複雑な手続きであり、専門的な知識と経験が必要です。

選ぶ専門家が遺産相続に関する法律や手続きに精通しているかどうか確認しましょう。

2.信頼性と実績

相続は家族や財産に関わる重要な問題ですので、信頼性と実績がある専門家を選ぶことが重要です。

口コミや評判、過去の実績などを調べて、信頼できる専門家を選びましょう。

3.コミュニケーション能力

遺産相続には多くの関係者が関与します。

選ぶ専門家が遺産相続に関わる関係者と円滑にコミュニケーションを図れる能力を持っているかどうかを確認しましょう。

専門家の一言で、意図せず感情的になったりすることもあります。

円滑にコミュニケーションが取れる専門家をオススメします。

4.費用と契約条件

遺産相続に関わる専門家の費用や契約条件についても事前に確認しておくことが重要です。

料金体系や契約内容に納得がいくかを確認し、予算に合わせて選びましょう。

遺産相続は家族や関係者にとって感情的な問題を伴うこともあります。

そのため、専門家を選ぶ際には信頼できる人柄や思いやりのある対応ができるかどうかも重要な要素です。

遺産相続に関する専門家の役割は多岐にわたりますが、適切な専門家を選ぶことで円滑な手続きが行われ、相続人の権利が守られます。

遺産相続に関する専門家は、複数ありますが、個々の専門分野において知識と経験を持ち、手続きや問題の解決において頼りになる存在です。

次では、今回のまとめについて書きたいと思います。

4.まとめ

いかがだったでしょうか。

遺産相続には、様々な専門家の知識と役割が求められます。

司法書士は不動産の相続手続や文書作成、そして各種窓口における相続手続を、弁護士は法的なアドバイスや代理人としての役割を、税理士は税務面での申告やサポートを、保険会社では保険金の手続きとライフプランの再設計を、不動産鑑定士や不動産会社は不動産の評価を、行政書士はその他の行政手続きや書類作成を担当します。

一つの相続手続でも、それぞれの専門家が協力し、遺産相続手続きをのすべてを完了させることとなります。

ご自身でできることも多々あると思いますので、費用について気になることがあれば、依頼する専門家に相談してみることも方法の一つです。

専門家に頼んだ後は、その専門家が何をしているのか、あまり見えない点も多くありますが、本記事にて、相続に関係する専門家が何をしているのかがお分かりいただけたと思います。

皆様の参考となれば幸いです。

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木村 洋佑

この記事を書いた人

木村 洋佑 Kimura Yousuke

1984年、広島市生まれ。
2007年、駒澤大学法学部を卒業後、検察事務官として東京地方検察庁に入庁。
2012年、東京高等検察庁を最後に検察庁を退職し、2013年には司法書士の資格を取得。
2014年、資格研修終了後、広島市内の司法書士事務所に就職。
4年半の勤務を経て、
2018年7月、司法書士木村事務所を開設。

現在、広島市など広島県全域について、相続や遺言、信託に関するお困り事を中心に解決しています。

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